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HDDの全データを引っ越しさせるには、
『DriveCopy』が一番?

Libretto60&70 東芝
●価格/25万8000円(Lib60)、26万8000円(Lib70)
●CPU/ペンティアム100MHz(Lib60)、MMXペンティアム120MHz(Lib70)
●メモリー/16MB ●HDD/810MB(Lib60)、1.6GB(Lib70)
●グラフィック/6.1インチTFTカラー液晶、640×480ドット(1677万色)

横暴ひらりん、テストレポート誌面を乗っ取ること

ひらりん
 待たせたな、ボーイズども。ワシが超有名人のひらりんだということを、まだ知らんものがおるか? コノヤロ何が超有名人だ、と阿呆の平井和正がわめいておるが、アヤツは青二才だからして、ものを知らん。知る必要のない人間が世の中にはごまんとおる。知る必要のある人間にとっては、ワシは超有名人なのだぞ。さて、これを読んどるおぬしははたして必要とする人間か? そこが問題だな。知る必要のない輩は、臍に空気穴があいているような連中だ。ほうっておけ。
 本日はひらりん量の講義をする。人間は大なり小なりひらりん量というものを持っておる。つまりワシ、トリックスターひらりんが1ひらりん量ということになる。パンツ男のカツシン(合掌)は、1マイクロひらりん【注1】だった。わかるか? わずか100万分の一のひらりん量が、カツシンを不世出の偉大な俳優にした。もうあんな凄い俳優は日本には出ないな。
 ところで、致命的ひらりん量が存在する。ピコひらりんがその致命的ひらりん量だ。普通の人間のひらりん量は1ナノひらりん【注2】だ。いかにパンツ男カツシンが偉大な存在か、ようやくわかってきたであろうが? マイクロマイクロひらりんがピコひらりん【注3】なのだからな。カツシンは本当は不死身人間だったのだ。『座頭市』などという映画を見ると、それがよくわかる。死よりも偉大な人間、カツシンを記念してワシはこのパンツ男の姿を世に顕現しておるのだぞ。
 そこで、この記事を読むおぬしらは高いひらりん量を持っとることが自明になるだろう。読まんヤツバラは平均的ひらりん量にはるかに及ばん連中なのだ。
 今、平井和正が自分のひらりん量を知りたがっておるが、教えてやらん! 偉大なるひらりんを蔑ろにするようなヤツにだれが教えてやるものか!
 済みません、またひらりんに乗っ取られました。意識のコントローラを乗っ取られるともう駄目。好きなことを好きなだけ吹きまくられてしまう。わたしとしては、ひらりん量なんかよりヒロスエ量のほうがずっと好ましいと思うが。あっ、スタパ量なんていうのもいいな! わたしも文章修行をすれば、1ミリスタパ量ぐらいになれるかも。しかし致命的スタパ量が1ミリスタパかもしれんな。
 やっぱりこれを読んで、原稿料稼ぎという悪評が立ちそうだ。肝心のテストレポートから100万マイル遠ざかっているではないか。

第三のステージ
旧HDDから新規大容量HDDへ一発で完全お引っ越し

DriveCopy
PowerQuest社の『DriveCopy』は、
まさに魔法の杖じゃぞ。
わたしは半ダースものクローンを
つくりたくなってしまった(笑)。
 さて、今回のテーマだ。汗を滝のように流し、喘ぎながら大量のウィンドウズセットアップディスクを取っかえひっかえ奮闘したボーイズには悪いが、あっという間に(文字通り受け取るなよ)全データを引っ越しさせる魔術があるのだ。
 今回は、品薄というより品切れ状態に陥ったリブレット60に代わり、リブレット70を題材にして改装を進めるぞ。文句をいうでない。リブレット60にもちゃんと応用が効くのだ、安心せよ。
 この魔法のタネは、前にも触れた『DriveCopy』【注4】だ。原HDDの内容を残らずそっくり新規大容量HDDに移植する。もうウィンドウズのセットアップ・ディスクを汗と涙で数時間取っかえひっかえする必要はなくなるのだ。
 リブレット70にはリカバリーCDという、壊滅時の復旧作業に使うツールが漏れなく付いてくる。ところが、これが大変なトラブルをユーザーにもたらすことは、あまり知られていない【注5】。まず大抵の場合、起動時にCD−ROMドライブを認識してくれないのだ。こればっかりは、年季の入った旧石器時代の魔法(DOS)使いも手を焼くことになる。
 で、ワシは『DriveCopy』という魔法の杖を使って、泥沼を回避することに成功した。別にワシと同じことをしなくたって、なんとかなるボーイズもいるだろうが、それはただ単に運がよかっただけだ。
『DriveCopy』、魔法の杖だが、生憎なことにノート用ではなく、DOS/V機用である。これがどういうことかわかるか? もう一台タワー型PCが必要なのだ。間に合う者は運がよい。まずタワー機の筐体を開いて、アダプターを用い、新旧のリブレット用HDDをそれぞれマスター、スレーブに連結する。2・5インチのノート用HDD、でかい3・5インチ用ケーブルとは直では繋がらないから、間に噛ませるアダプターが必要になる。

派手なギミック好きなワシは、
リムーバブル・ラックを使いこなしてOSのクラッシュに備えておるのだ

ラック挿し換え
ラック
これがリムーバブル・ラックの中に
2.5インチのHDDを装着した様子だ。
 頭が混乱したボーイズは、写真を見よ。ワシの愛機(タワー型)はCドライブ、Dドライブをそれぞれリムーバブル・ラックにして二段構えとし、挿し換えをイージーにしている。わかるな? 上がマスターでCドライブ、下がスレーブでDドライブだ。
 リムーバブル・ラックを使用したのは、単に派手なギミックの好きなワシの趣味だ。まるで素焼きの瓶みたいに壊れやすい脆弱なウィンドウズ95のクラッシュに備えてあるのだ。
 上段のCドライブがクラッシュすれば、すかさず引っこ抜いて、下段のDドライブと交換する。両方ともウィンドウズが仕込んであるからこそ出来る芸当だな。
 だからこそ、今回のリブレットのHDD換装にも、このリムーバブル・ラックを応用してみたのだ。心配性のボーイズはワシに倣って、同じ環境のHDDを複数(6台ぐらい)用意しておけ。一日のうちに数回クラッシュしても(そんなことあるわけないだろうがあっ)、にっこり笑って、マガジンを交換だ。
 写真を見よ。
 Cドライブのマガジンは、おニューの大容量HDDだ。そしてDドライブの中身は、旧小容量HDDだ。この順序を絶対に間違えるなよ。『DriveCopy』は忠実にDドライブからCドライブに中身をそっくり複写するのだからな。うっかりミスでカラの中身を、情報タップリの旧HDDにそっくりコピーしてしまって、中身はスッカラカンのカン。ぎゃあっと絶叫して飛び上がっても、もう遅いぞ。
 複写に要する時間は数十分、しかも、すべてDOSベースで堅実に行なわれるから安心感がある。これが悪評高い某OSが噛みこんでいるなら、心配で一秒も画面から目が離せん。健気な『DriveCopy』が無事に仕事を完了させた時は、拍手ものだぞ。まったく危なげない仕事ぶり、冷酷と平井和正に謗られるワシですら感動ものだ。
 さて、ボーイズがリカバリーCDで、元の環境を復活させようとしても、最初の状態が再現されるだけで、自分の大事に育てた環境とは違ったものになるが、こっちは完全試合だ。HDDを半ダースも買い込んで、クローンを造りたいという欲望に駆られてしまうひらりんであった。

ひらりんからのやさしい注釈集

【注1】
 マイクロ→100万分の1である。
【注2】
 ナノ→10億分の1である。
【注3】
 ピコ→1兆分の1である。
【注4】
 『DriveCopy』には、注意すべきことがある。コピー先HDDはコピー元よりも容量が同等以上のサイズを持っていなければならんのだ。大→小は不可である。同容量のHDDなら大丈夫かといえば、これも不可。暗黒のDOS魔術を用いる必要があるようだ。わたしはパス。クローンHDDを作成する時以外はあんまり関係ない。普通はリブレットお仕着せのHDDは例外なく小容量だし、だからこそ大容量HDDに換装したくなるわけだからな。どうしても、という向きは『DriveCopy』のわかりにくい取説と格闘するがよい。若い時の苦労は買ってでもせよ、と昔から言うであろうが。
【注5】
 ハッキリいっておくが、リブレットで再セットアップを苦労抜きでしたければ、東芝製CD−ROMドライブを買え。他者のDOS用ドライバーを完全装備するほど東芝というメーカー様は親切ではない。ま、他社だって同じことをしているんだしな。いつもワリを食うのはユーザーだけだ。リブレットの製造メーカーよ、まともにセットアップを望むユーザーは東芝製CD−ROMドライブを買え、と正直に言わんかい。
協力:週刊アスキー編集部、イラスト:余湖裕輝
<週刊アスキー 1998.9.24掲載>
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